10 月 の ネ ル 物 語


 近所の家庭菜園で紋白蝶を見かけました。 春の虫のように思っていたので、ちょっと意外な感じです。


 今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。


(秋眠)
 「春眠暁を覚えず」といいますが、夏の疲れのたまった秋もお昼寝には結構なシーズンです。
 秋刀魚や鯖、鰤の良いのが捕れる秋は、わたしたちネコにとっても豊饒の時です。 鮭も悪くはありませんが、どちらかと言うと”大味”な魚です。 それに、やたらと塩辛く味付けされたり、バターでムニエルにされるのは素材が台無しと言うものです。
 新鮮なお魚、たとえば塩焼きの秋刀魚をおなかいっぱいに食べて、十五夜お月さんが出るまでゆっくりとお昼寝をしたら最高です。(カレイの煮付も悪くありません) 少し肌寒くなるこの季節には、板でなく布張りの椅子の上で眠るといい気持ちです。
 そんな良い気分でママの化粧台の椅子の上に横になって、背もたれにアゴを乗せて、うつらうつら寝ていると、「ネルのヤツ面白い格好で寝てるゾ!」と言うパパの声がしました。
イヤだナー、寄るな!、来るな!、あっち行け! と思っていると、カメラを持ってやってきて、折角の珠玉の時の流れをぶち壊すフラッシュを焚きました。  無神経で無粋な人間と家族でいるのはホトホトイヤになってしまいますが、パパのガサツは今日に始まった訳ではありません。 今さら注意してもなおらないので、無視してそのまま眠ることにしました。



次の頁
ネルの小屋ばっくなんばー
今月のネル物語
ひょうしのページ