5 月 の ネ ル 物 語


3月に蕾だった近所の材木屋さんのバラが開きました。 寒風の中、凍えるようにしていた蕾が今ばらの花となって沢山咲いています。

 今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。


(お化粧と魚釣り)
 ある日、わたしが気持ちよく寝ころんで、毛並みをなおしてお化粧をしているのをパパが見ていました。
わたしは、パパなんかが見ていても気にすることはありませんから、体を舐めてから両手で顔を洗い、 次に頭を洗いました。 その後で耳の後ろの毛並みを揃えめ始めると、雨が降るからやめろと言うのです。
わたしは文句を言われる筋合いはありませんので続けていると、明日は魚釣りに行くのにネルが顔を洗うと雨になる言います。
わたしは、低気圧が近づいて湿気があって気持ちが悪いから顔を洗っているのであって、わたしがお化粧をするから低気圧が来るのではありません。
そもそも、昔の人は猫の動作を見て天候の変化を予測しました。
 猫とは、まか不思議な天候の変化を予測する有り難い動物にほかならないのです。
 最近は天気予報などといって一見当たりそうでいながら、実は結構いい加減で肝心なときにあてにならない物があるため、自然の事象をないがしろする傾向があります。
 天気なんて局地的な変化も多いのに、埼玉県では群馬県に近い北の熊谷の天気を浦和の天気と表示している有り様です。 それに比べれば、猫の予測する天気はジャストポイントでの予測です。 本来ならば、個別予測は有料でも良いのです。
 パパとタカシは、わたしにお伺いを立ててから釣りに行くかどうかを決めれば良いのであって、釣りに行く予定を勝手にきめておいて私が顔を洗うのがいけないとは、本末転倒も甚だしいと言うものです。
ところで、わたしたち猫が毛並みを直すのは人間が夏の暑い日にお風呂に入るのと同じです。
念のために言っておきますが、わたしたち猫は人間の様に体に汗をかくことは滅多にありません。
ですから、風呂なんぞに入って臭い汗を流す必要は元からないのです。
わたしが風呂に入るのが嫌いなのは、必要がないからなのです。
このことはママやパパに充分わかっておいてもらわねばなりません。



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