6 月 の ネ ル 物 語

 今年は雨の日が多い年のようです。 このところの雨は、早くも梅雨入りしそうな気配を感じさせます。 わが家の近くでも六月の花、紫陽花が咲き始めました。

 さて、困ったことにインドとパキスタンが核実験をおこないました。 世界中の人々を不安におとしいれた核開兵器発競争の愚が、また繰り返されようとしています。
 核実験が残念なのはもちろんですが、人類がいかに愚かで進歩のない生き物であるかを思い知らされることが一番悲しいことです。 猫や犬やカラスやブラックバスも殺生をするかもしれませんが、人間みたいな無茶苦茶はしません。 そういえば、はるか昔パンドラの箱を開けてしまったのも人間でした・・・・・・・
 今度こそ、勇気と良識をもった話し合いに期待したいものです。

今月もネルの遺稿を掲載します。 読んでやってください。


(ゴジラ)
 ある夏の日、通販生活という会社からわが家に宅急便が届きました。 大きな茶色の段ボールの箱です。 タカシとママが箱を開けましたが、恐る恐る中を見ただけでまた蓋を閉じてしまいました。 わたしは、家の外からきたものはチェックする性格なので匂いを嗅いで少しだけのぞいてみましたが、中には黒いゴツゴツとしたものが入っています。 パパが帰宅し、タカシと一緒に箱の中身を組み立てたところ、それは何と大きなおもちゃの怪獣でした。
 「ゴジラ」と言う映画に出てくる怪獣なのだそうですが、生意気にも歩いたり吠えたりするのです。 タカシがリモコンを操作して、わたしに向けて歩かせたり、吠えさせたりしましたが、何と言っても歩きが遅いのでへっちゃらです。 それに、生き物の匂いがしないのであまり気にもなりません。 わたしがこんな奴を恐がると思われては癪なので、横に座ってあくびをして、しっぽで叩いてやりました。
 テレビで見た映画によると、南の島に住んでいた恐竜が水爆実験の影響でゴジラになってしまったそうですが、本当は悪いやつではなかったのに少しかわいそうだと思うようになりました。 一緒に地球に住んでいる動物のことなんか考えず、自分たちの都合で戦争をしたり核実験をしたりする人間はいけないと思います。


ネルの家族がおすすめする本
「ぼんぼん」(今江祥智 著)はとても良い本です。 猫は、後半にペルシャの「トージョーはん」が登場します。 読んでおられない方にはおすすめです。 たいていの図書館にありますし、新潮文庫にも入っています。

「猫の遺言状」(ヒロコ・ムトー 著)は3月に文芸春秋社から出た新しい本です。 のら猫好きの方におすすめです。


PS.霞ヶ浦で38cmのブラックバスが釣れました。 ネルの喜ぶお魚ですが、写真をお供えすることにしてすぐに逃がしてあげました。

釣り場に糸を残すのはやめましょう! 鳥の足に絡むと怪我をします。


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