2 月 の ネ ル 物 語


 蕨市立図書館の角にある紅梅は、寒風に負けず小さな花をつけていました。
また、駅の駐車場の日だまりに、たんぽぽが一輪咲いているのを見つけました。 まだ先々週の雪が残っているのに、季節は着実に移り変わってゆくのがわかります。
 今年もあっと言う間にひと月が過ぎはや二月ですが、二月と言えば節分です。 二月三日は、わが家でも豆をまいたり、お札を貼ったりいろいろと忙しい一夜です。
 ところで、節分といえば厄をはらい福を招く日ですが、ついこの間までインフレばかりを心配してデフレは過去のものみたいに言われていたのに、やはり災いは忘れた頃にやってくるのでしょうか? コンドラチェフ波とかいう長期景気循環で、1920年代の恐慌の再来だと言う人もいるようですが、人の寿命が長くなり経験を忘れなくなったぶん景気循環の波長も長くなったみたいです。
 そんなことはともかく、二月に行われる減税はささやかな福の神かもしれません。

(ネルさんは強いんだぞ!)

 ネルは節分なるものに反対です!
 真冬の夜中だというのに、わたしに何の断りもなく突然窓を開け放って「鬼は外」なんて大声で言って豆粒をまかれて迷惑千万です。 わたしは豆なんか食べないし、当たったら痛くて損だし、部屋に冷たい風が入ってきてとってもいやです。
寒いときは暖かくしてじっと寝ているのが一番にきまっているのです!
 タカシに至っては、鬼のお面をかぶってバットを持ったりするので何をするかわかりません。 鬼に金棒とは言いますが、ガキにこん棒は危険です。 でも、そこでひるんだりすると猫の沽券にかかわるので、逃げたりなんてできません。 わたしがライオンズのバットなんぞを恐がると思われては後々のためになりませんし、なにより家族の中で地位が上の者としての示しがつかないので、逃げずにタカシの前でがんばることにしました。
 それにしても「鬼は外」と言って豆をまくのは良いとして、「福は内」と言うときにも豆をまくのはどうしてなのでしょう。 福だって豆を投げられては逃げていってしまうのではないでしょうか?   わたしには、人間のやることは合理性がないように思えます。



以前、猫の冬の野菜「からす麦」について紹介しましたが、ネルの小屋をご覧頂いた田中さんより「からす麦」についてご質問を頂きました。 写真は道路のつつじの植え込みに生えていた「からす麦」です。 この写真では他の野草との違いがわかりにくいですが、四月頃になると穂が出て見分けをつけやすくなります。 猫に食べさせるときは、水できれいに洗ってからあげることをお勧めします。


次の頁
ネルの小屋ばっくなんばー
今月のネル物語へ行く
ひょうしのページ